親の「介護とお金」ホンネの話。ぶっちゃけ「特別養護老人ホーム」の費用っていくらかかるの?
長い目で見れば「ちりつも」に注意!
● ホーム入所後は3か月が勝負!
部屋には認知症やケアマッサージの本も置いてある。足の裏をオイルマッサージすると、父は不覚にもよだれを垂らしたりする。また水虫や湿疹、あざなどの皮膚の異変にも気づくことができる。たとえ素人であっても「見る」「触れる」の手足マッサージは効果的だ。一日中靴下と靴を履いている父の足は猛烈にくさいけれど。足湯専用の桶も用意して、ときどき足湯もさせている。
ホットタオルで顔や首を拭くのも、父は大好きである。熱い湯に浸して絞ったタオルを顔に当てると、心地よさそうにうっとりする。もともと風呂好き・温泉好きだった父が、今は週に2回しか入浴できない。不満に思っているかと思いきや、そうでもないらしい。時には面倒くさいと思うこともあるようだ。
「施設にいると、〇〇ができなくてかわいそう」と
実際は、家族が思うほど不憫でも不幸でもない。案外小さな喜びや快楽を見つけていることもあるのだから。
介護に関しては、いい本がたくさんある。専門家が書いたお金の本、家族にもできるケアや心がけの本など、ためになる本にも巡り合えた。
良書があれば、さりげなく母に勧めるようにしている。
本を読んだり、自治体が行う認知症の講座を受けたりして、学んだのは「否定しない」「急がせない」「焦らせない」こと。さらに自己流で言えば、「友人や知人、会社員時代の人の訃報やお誘いは、父に伝えない」「父の怒りや寂しさを真に受けず、やんわり右から左へ受け流す」ことだ。同じ質問を
10分の間に8回されても、8回とも同じテンションで答えることができるようになった。
入所して3か月経つと、確かに父は落ち着いてきた。
3か月が勝負というのは本当だった。「いつまでもこんなところにいられないな」「そろそろ俺もここを卒業しなきゃ」とは言い続けているが、激昂することはなくなり、実に穏やかな日を迎えている(少なくとも私の前では)。
親や配偶者をホームに入れて、ありとあらゆる言葉を浴びせられ、罪悪感に
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